2021年度 通年及び後期講座(2021年10月~2022年3月)

このアイコンが付いた講座はZoomを使います。

このアイコンが付いた講座はGoogle Meetを使います。

※各オンライン講座の受講方法は「受講手続きのご案内」をご参照ください。

【文化講座】

刀を装う ― 拵(こしらえ)と装剣金具の世界 ―

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程1月25日(火) 10:30〜12:00
受講料1,500円
講師名原田 一敏(ふくやま美術館長・東京藝術大学名誉教授・客員教授)
講座紹介 鉄の刀剣は鋭利な刃物で、それを身につけるには、握る部分の柄(つか)と、刃を収める鞘(さや)が必要です。刀剣は古墳時代以来、権力の象徴であり、武士が実用として使うにも美しい金具を付け、鞘には蒔絵をはじめ様々な漆塗りを施し、飾っています。まさに武士にとってはおしゃれの道具、そして矜持でもありました。平安時代の貴族に使用された外装は位によってその装飾が決められており、武士でも豪奢なものを使用することが禁じられたほどでした。
 とくに江戸時代には拵えに付ける金具、すなわち鐔(つば)や小柄(こづか)、笄(こうがい)、目貫(めぬき)といった三所物などに超絶的な技巧が尽されました。この技術や表現法は明治時代に至って、海外に輸出する工芸品の装飾に生かされ、高い評価を得ることになります。今の金工家たちにもその技術は引き継がれています。
 古墳時代から江戸時代に至るそうした刀装の様相を、画像を使用してお話しし、文様表現や技法について解説をしたいと思います。

【文学講座】

浮世の物語 ― 西鶴の『西鶴諸国ばなし』を読む ―

※この講座はGoogle Meetを使います

日程火曜日 10:30~12:00(2/8、2/22、3/8)
受講料4,500円
講師名深沢 了子(聖心女子大学 教授)
講座紹介 浮世草子作家として名高い西鶴は希代のストーリーテラーでした。彼の文芸活動は俳諧からスタートしましたが、和漢の古典を滑稽化し、次々と江戸の物語に当世化していく話術、そして連想語を連ねる独特の文体は、まさに俳諧師としての経験を小説にいかしたものになっています。
 今回は諸国の奇譚を集めた『西鶴諸国ばなし』(貞享2・1685年)の中から3つの短篇を取り上げます。原作との違いや、レトリックの面白さを味わうと同時に、「人はばけもの」(序)という西鶴の人間観を考えてみましょう。
講義内容第1回目  2月8日(火) 巻四の三  命に替ゆる鼻の先
思わぬことから天狗の怒りを買った高野山の職人。
天狗達が高野山を焼き討ちにする??
第2回目  2月22日(火) 巻五の一  提灯に朝顔
近世の町人に流行した茶の湯。西鶴の説く茶の湯の心・趣向とは?
第3回目  3月8日(火) 巻五の五  執心の息筋
裕福な商人に嫁いだ後妻。亭主の死後、継子三人に辛く当たり殺してしまう……

【文学講座】

めざせ!読書の達人

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程木曜日 13:30~15:00(2/10、2/17)
受講料3,000円
講師名大塚 美保(聖心女子大学 教授)
講座紹介 読書が好き、もっと小説を読み深める力をつけたい――という方のための文学講座です。小説を掘り下げて読むための着眼点を紹介するとともに、読む力を鍛える文学クイズを用意しました。
 2019年度に新型コロナウイルス感染症拡大のためやむをえず途中閉講となった「めざせ!読書の達人」の続編です。
 今回の着眼点は「時と場所の設定」です。夏目漱石、川端康成の名作を取り上げ、物語の舞台となる時と場所の設定に注目して読み解きながら、読書の達人をめざしましょう。
 なお、小説本文の抜粋を配布しますので、前もって本を用意しておく必要はありません。
講義内容第1回 2月10日(木) 時と場所の設定に注目して読む
― 夏目漱石『それから』ほか ―
第2回 2月17日(木) 時と場所の設定に注目して読む(続)
― 川端康成『眠れる美女』ほか ―

【文化講座】

季節を楽しむ茶の湯菓子

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程2月19日(土) 10:30~11:30
受講料1,000円
講師名植木 宗麗(裏千家 教授)
講座紹介 「茶の湯にふれる」シリーズ 第12弾として、今回は茶席で頂くお菓子をとりあげます。
 数寄者を除く、お茶会に参加される一般の方々の一番の楽しみは、お茶会のお菓子です。
 4年前にも茶の湯のお菓子については上巳の節句のお茶会と一緒に取り上げました。
 今回はオンライン講座ですので、色彩の鮮やかなお菓子の写真を画面で追いながら、季節で用いられるお菓子やその銘の由来などについて、触れていきます。
 茶花と同様に客に季節を感じさせるお菓子、亭主(お茶会の主催者)の趣向を表現する一つでもあるお菓子、お能の世界にも通じるその魅力についても、お話をいたします。茶席での正式な“主菓子(おもがし)”の食べ方も画面で紹介いたしますので、コロナ禍の今、是非ご家庭で主菓子を頂きながら季節を楽しんでいただけましたら幸いです。
 今回は、最後に茶菓子についてのクイズもお出しします。どうぞお楽しみくださいませ。

【宗教講座】

日常生活と聖書

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程水曜日 17:00~18:00(10/20、11/24、12/15、1/19、2/16、3/16)
受講料6,000円
講師名シスター岩井 慶子(聖心会)
講座紹介 聖書の勉強ではなく、聖書が私たちの日常生活にどのような光を当ててくれるかを主観的に、体験からお伝えして、参加者にも気づいたことを自由に話していただくことによって、一人では見えないものが見えてくるのを楽しみたいと願っています。
 他のシスターたちにも協力してもらおうと考えています。
 ※第1回~第4回は前期に終了しました。
 ※1回ごとにテーマが変わりますので、途中からの参加も可能です。

【宗教講座】

キリスト教への招きⅥ

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程土曜日 14:00~15:30(10/9、11/6、1/15、2/19、3/12)
受講料7,500円
講師名宮越 俊光(カトリック中央協議会)
講座紹介 第6期となる2021年度は、以下のようなテーマでキリスト教について学びます。
 前期の5回は聖書に関する内容(創世記、預言者、ヨセフ年にちなんでヨセフの使命、マタイ福音書の山の上の説教)をお話ししました。
 後期は、儀式に関連した内容として秘跡(第6回)、ミサ(第7回)、ゆるしと塗油(第8回)を扱います。そして、中世におけるキリスト教の影響(第9回)について学び、結びに教皇フランシスコが大切にしている自然環境とキリスト教の問題についてお話しします(第10回)。
 本講座では、カトリック教会の立場から、信者ではない方にもできるだけ分かりやすくお話しいたします。これまでの講座を受講していない方も歓迎いたします。
講義内容第6回 10月9日(土) 秘跡による神の恵みの味わい
第7回 11月6日(土) ミサの流れ~式次第とその意味~
第8回 1月15日(土) ゆるしと塗油~心と体のいやし~
第9回 2月19日(土) 中世キリスト教の光と陰
第10回 3月12日(土) 自然環境とキリスト教
※第1回~第5回は前期に終了しました。
※1回ごとにテーマが変わりますので、途中からの参加も可能です。

【教養講座】

潜伏キリシタン 多彩な姿

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程木曜日 14:00~15:30(10/21、11/4)
受講料◎こちらの講座は、オンデマンド配信も実施いたします。
【ライブ配信】3,000円(受講者参加型。講師と双方向での講義が受けられます)
【オンデマンド配信】2,000円(リアルタイムでの受講は出来ません。講義後2週間、お好きな時間に自由にご視聴できます)
講師名髙祖 敏明(聖心女子大学 学長)
講座紹介 江戸幕府が禁教令を発した1614年以降、日本のキリシタンは殉教するか、棄教するかを迫られました。その中で密かに信仰を守り伝えた人たち、潜伏キリシタンがいました。
 ですが、その信仰を今に伝える文化財や習俗は消滅しつつあります。今、記録しないと失われる、という危機感から5年ごしで今年、『潜伏キリシタン図譜』(かまくら春秋社)を完成させることができました。
 日本のキリシタン史は、迫害というイメージから負の歴史とみられがちですが、信仰者の生き方をありのままに、学術的に検証することは世界的にも意味があります。
 この講座では、第1回目は、日本全国に残されているキリシタン遺物をいくつか紹介しながら、信徒たちの暮らしや文化・精神史、摘発した側(幕府)の様々な記録類も取り上げていきます。第2回目は、第1回目の講義を受けて、参加者の皆様からご質問やご感想をいただき、それらに言及しながら話を展開してみたいと思います。
 この講座を受講することで、日本と世界を結ぶ歴史の多彩な一断面を感じ取っていただけたら嬉しく思います。

【文学講座】

『伊勢物語』を読む

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程金曜日 10:30~12:00(10/22、11/5、11/19、12/3、12/17、1/14、2/4、2/18、3/4、3/18)
受講料15,000円
講師名山口 佳紀(聖心女子大学 名誉教授)
講座紹介 平安時代の歌物語として有名な『伊勢物語』は、「みやび」の文学として古くから愛されてきました。
 在原業平を思わせる「男」の一代記のような形をとりながらも、一つ一つの章段はそれぞれ独立性をもち、極めて完成度の高い文章をもって語られています。
 私たちは、その一つ一つの章段がよく読めているのでしょうか。その魅力を十分理解することができているのでしょうか。
 この講座では、各章段を丁寧に読み解きながら、表現の機微を味わい、文章の真意に迫ってみたいと思います。
 なお、一回一回読み切りの形をとりますので、どこから参加してくださっても結構です。
講義内容第1回 10月22日(金) 『伊勢物語』を読むために
           異本第一段「雨の音」・異本第二段「清和井の水」
第2回 11月5日(金) 異本第三段「かつ見る人」・異本第四段「雲居の峰」
第3回 11月19日(金) 異本第五段「中空」・異本第六段「時雨」
第4回 12月3日(金) 異本第七段「咲ける咲かざる」・異本第八段「玉くしげ」
第5回 12月17日(金) 異本第九段「撫子」・異本第一〇段「すずろなる道」
第6回 1月14日(金) 異本第一一段「すずろなる所」・異本第一二段「在原の行平」
第7回 2月4日(金) 異本第一三段「朝影」・異本第一四段「虫の音」
第8回 2月18日(金) 異本第一五段「のどけき春」
第9回 3月4日(金) 異本第一六段「かはたけ」・異本第一七段「色事」
第10回 3月18日(金) 異本第十八段「夢としりせば」・異本第一九段「ことぞともなく」

【文学講座】

禁忌の恋はどう語られたか―藤壺の物語を読む(「賢木」巻①)

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程火曜日 13:00~14:30(10/12、11/16、12/14、1/11)
受講料6,000円
講師名大津 直子(同志社女子大学 准教授)
講座紹介 光源氏とたった五歳しか違わない継母・藤壺の存在は、光源氏の人生を、あるいは『源氏物語』の正編全体を貫く重要な軸です。
 しかしながら、戦前谷崎潤一郎訳『源氏物語』において藤壺の登場箇所が削除されたことが象徴するように、皇統乱脈を描く光源氏と藤壺との恋は時代の流れの中で忌避されることもありました。果たして物語はどのように禁忌の恋を語っているのでしょうか。
 本講座は、「桐壺」、「若紫」、「紅葉賀」、「花宴」と読み進めてまいりました。本年度は「賢木」巻前半へと入っていきましょう。講座終盤に予定されている、光源氏が藤壺の寝所に近づき思いを訴える場面は、上記の谷崎訳において大幅な削除があったまさに禁忌を描く極点と言えます。
 講座の中では従来通り、貴族たちの生活世界をイメージしていただけるように画像資料を用います。受講者の皆様が、平安朝の世界を心の中に思い描きながら原文を味わってくださるよう努めます。
講義内容第7回 10月12日(火) 光源氏、朧月夜と心を通わす①
第8回 11月16日(火) 光源氏、朧月夜と心を通わす②
第9回 12月14日(火) 光源氏、藤壺の寝所に近づき、思いを訴える①
第10回 1月11日(火) 光源氏、藤壺の寝所に近づき、思いを訴える②
(なお、進度によって多少前後いたします)
※第1回~第6回は前期に終了しました。
※途中からの参加も可能です。

【文化講座】

伝教大師(最澄)1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程水曜日 10:30~12:00(10/20)
受講料1,500円
講師名皿井 舞(東京国立博物館 学芸研究部列品管理課平常展調整室長)
講座紹介 2021年は、弘法大師空海とならび称される伝教大師最澄が亡くなってから1200年目に当たります。最澄は、誰もが悟りを開くことのできると説く『法華経』の教えに心惹かれ、この教えをいしずえとする天台宗を日本で広めました。平安京の鬼門にあたる比叡山に延暦寺を創建しましたが、延暦寺は後に法然、親鸞、道元などの祖師を輩出し、彼らが説いた多様な教えは日本文化に大きな影響を及ぼしてきました。
 東京、九州、京都の各国立博物館を巡回する本展は、最澄による日本天台宗の開宗から、東叡山寛永寺が創建された江戸時代に至るまでの天台宗の全史を、各地で守り伝えられてきた貴重な宝物を通じて御覧いただきます。
 東京会場の見どころは寺外初公開を含む数々のご秘仏の公開ですが、本講座では特色ある天台の秘仏についてたっぷりとご紹介いたします。

【文化講座】

日本・東洋文化探訪シリーズ「鳥獣戯画の世界を読み解く」

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程月曜日 13:30~15:00(12/13) 
受講料1,500円
講師名土屋 貴裕(東京国立博物館 学芸研究部 調査研究課 絵画・彫刻室長)
講座紹介 兎や蛙、猿などの動物たちが人間さながらに儀式や遊戯にいそしむ国宝・鳥獣戯画。今年2021年春、東京国立博物館で開かれた特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」で全四巻の全場面が公開されました。この講座では、展覧会の会場ではお伝えすることのできなかった様々な新知見や裏話(!)も含め、鳥獣戯画の世界を読み解いていきます。
 鳥獣戯画は有名な甲巻とともに、動物図鑑のような乙巻、人物と動物がそれぞれ登場する丙巻、人物を中心とした丁巻の4巻から成り、制作年代も絵のスタイルも異なります。4巻の違いも含め、鳥獣戯画の魅力をより深掘りします。
 鳥獣戯画は京都の古刹・高山寺に伝わりました。この類稀なる作品がなぜこのお寺に伝えられることになったのか。鎌倉時代に高山寺を中興した明恵上人の事跡とともに、高山寺の歴史から考えてみます。
 展覧会をご覧になった方もそうでない方も、知っているようで知らない鳥獣戯画の奥深い世界へとご案内します。

【文化講座】

日本刀の歴史とその見方

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程水曜日 10:30~12:00(11/17、12/15)
受講料3,000円
講師名原田 一敏(ふくやま美術館長、東京藝術大学名誉教授・客員教授)
講座紹介 日本に鉄の刀剣が現れたのは、弥生時代後期3世紀のことでした。銅の利器に比べ圧倒的に強靱で、よく切れる鉄の刀剣は古墳時代には日本全国に行き渡ります。この時代に作られた刀剣は反りのない両刃の剣と、片刃の大刀で、それらは平安時代に至るまで引き継がれました。
 しかし平安時代の中頃に、反りのついた太刀が出現します。この反りのついた太刀が日本刀とよばれる形式です。
 日本刀は折れず曲がらず、よく切れるという機能を発揮するため、内側に柔らかい芯鉄、それを固い皮金(鋼)で被うように作ります。また鉄の鍛錬によって表面に木材の板目や柾目のような模様が現われ、刃先を固くするために焼入れが行われ、そこに刃文を意識的に表します。これらの鍛えや刃文は日本刀独特のもので、それも京都や備前(岡山)、相模(神奈川)など名産地であったところで異なる特徴が見られます。日本刀の鑑定は、その特徴を把握することで成り立っています。
 この講座では、そうした日本刀の歴史とその鑑賞の仕方をわかりやすくお話ししたいと思います。

【文化講座】

縄文文化探訪 ―世界文化遺産登録記念―

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程木曜日 10:30~12:00(2/17、2/24)
受講料3,000円
講師名第1回 井出 浩正(東京国立博物館 学芸企画部博物館教育課教育講座室長)
第2回 品川 欣也(東京国立博物館 学芸研究部調査研究課考古室長)
講座紹介 1972年にユネスコ総会で採択された世界の「文化遺産」および「自然遺産」の保護に関する条約に基づき、世界遺産委員会が定める歴史上貴重な遺産を「世界遺産」と呼んでいます。
 北海道・青森県・岩手県・秋田県に点在する17遺跡からなる「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、採集・漁猟・狩猟をもとに人々が定住して暮らし、1万年以上続いた縄文時代の生活や精神文化を現代によく伝えるものとして高く評価され、本年世界文化遺産に登録されました。
 今回の講演会では世界から注目される縄文文化の魅力について2回に分けて講演します。
 第1回目は縄文時代の人々が自然にある身近な素材をもとに作った土器や石器、骨角器などを通して縄文時代の暮らしについてご紹介します。第2回目は自然を畏れ敬い、そして命への感謝を込めて作られた土偶や石棒、動物造形などを通して縄文時代の信仰や精神世界についてご紹介します。