2023年度 通年及び後期講座(2023年4月~2024年3月)

このアイコンが付いた講座はZoomを使います。

※各オンライン講座の受講方法は「受講手続きのご案内」をご参照ください。
※講座の申込みの締切は、講座の12日前、または定員に達し次第です。

【宗教講座】

日常生活と聖書

※この講座は対面式で開催します

日程水曜日 10:30~11:30(11/15、12/13、1/17、2/21)
受講料4,000円
講師名シスター岩井 慶子(聖心会)
講座紹介 聖書学の勉強ではなく、担当者が日常生活の中で力をもらったとか、面白い、意味があると思ったところを主観的にお伝えする気楽な講座です。
 参加の皆さまが感想や、反応、意見を言ってくださることで担当者の理解も広がる相互的な学びの場でもあります。聖書の使用箇所は、その都度、お送りしますので、聖書をお持ちでない方もご参加いただけます。毎回取り扱う聖書の箇所は継続ではないので、途中からの参加も問題ありません。

【宗教講座】

キリスト教への招きⅧ

※この講座は対面式で開催します

日程土曜日 14:00~15:30(11/18、1/6、2/10、3/9)
受講料6,000円
講師名宮越 俊光(カトリック中央協議会)
講座紹介第8期となる2023年度は以下の教科書に基づいて進めていきます。山本芳久『キリスト教の核心をよむ』NHK出版、2021年(737円、各自で購入)。教科書は、東京大学教授の山本芳久先生がキリスト教の基本を本格的かつ平易に解説した入門書です。4章から成っており、各章を2回に分けて取り上げます。聖書に関する2章(第1回~第4回)とキリスト教思想家に関する2章(第6回~第9回)に分け、それぞれが終わった後に、受講者の皆さんからの質問への答え、まとめと補足の回を設けます(第5回、第10回)。カトリック教会の立場から、信者ではない方にもできるだけ分かりやすくお話しいたします。これまでの講座を受講していない方も歓迎いたします。
講義内容第7回 11月18日(土) アウグスティヌス『告白』を読む(2)
第8回 1月6日(土) 橋をつくる――キリスト教と現代(1)
第9回 2月10日(土) 橋をつくる――キリスト教と現代(2)
第10回 3月9日(土) 第6回~第9回に関する質問とまとめ

【文学講座】

禁忌の恋はどう語られたか―藤壺の物語を読む(「賢木」巻③)

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程火曜日 13:00~14:30(11/7、11/21、12/19)
受講料4,500円
講師名大津 直子(同志社女子大学 准教授)
講座紹介 光源氏とたった五歳しか違わない継母・藤壺の存在は、 光源氏の人生を、あるいは『源氏物語』 の正編全体を貫く重要な軸です。
 しかしながら、戦前谷崎潤一郎訳『源氏物語』 において藤壺の登場箇所が削除されたことが象徴するように、皇統乱脈を描く光源氏と藤壺との恋は時代の流れの中で忌避されることもありました。果たして物語はどのように禁忌の恋を語っているのでしょうか。
 本年度は、政敵の娘との密会が露見するドラマティックな「賢木」巻末を読み終わり、「須磨」巻へと進みます。窮地に追い込まれた光源氏は、京を離れることを決意、愛する人々との別離を余儀なくされます。
 講座の中では従来通り、貴族たちの生活世界をイメージしていただけるように画像資料を用います。受講者の皆様が平安朝の世界を心の中に思い描きながら原文を味わってくださるよう努めます。また、途中回からのご参加や講座内容に関するご質問も大歓迎いたします。オンライン講座ですが、双方向のやりとりとなるよう工夫したいと思います。
講義内容第8回 11月7日(火) 光源氏、藤壺のもとへ参上、故院の山稜を拝む
第9回 11月21日(火) 春宮方の人々、光源氏の悲運を嘆く
第10回 12月19日(火) 光源氏、須磨へと出立する
(なお、進度によって多少前後いたします)

【文学講座】

『大和物語』を読む

※この講座は対面式で開催します

日程金曜日 10:30~12:00(10/27、11/10、11/24、12/8、12/22、1/19、2/2、2/16、3/1、3/15)
受講料15,000円
講師名山口 佳紀(聖心女子大学 名誉教授)
講座紹介 『大和物語』は、『伊勢物語』と並び称される歌物語の一つであり、平安時代の貴族社会で語られていた恋愛譚や古伝説などを紹介する作品です。我々は、これを読むことによって、平安貴族の興味が何に注がれていたか、また彼らの築いた文化がどのようなものであったかを、如実に知ることができます。ただし、この作品は有名である割に注釈書が少なく、内容が十分には理解できていないのが現状です。
 この講座では、その各章段を丁寧に読み解きながら、表現の真意を突き止め、文章の魅力を楽しみたいと思います。
講義内容第1回 10月27日(金)『大和物語』を読むために〈第一二五段「かささぎの橋」〉
第2回 11月10日(金)『大和物語』第六三段「峰のあらし」・第六四段「春がすみ」
第3回 11月24日(金) 同 第六五段「玉すだれ」・第六六段「いなおほせ鳥」
第4回 12月8日(金) 同 第六九段「狩ごろも」・第七〇段「やまもも」
第5回 12月22日(金) 同 第七六段「川千鳥」・第七七段「明石の浦」
第6回 1月19日(金) 同 第八九段「網代の氷魚」・第九〇段「あだごころ」
第7回 2月2日(金)  同 第一三二段「弓張り月」・第一三三段「泣くを見るこそ」
第8回 2月16日(金) 同 第一四二段「命待つ間」・第一四五段「浜千鳥」
第9回 3月1日(金)  同 第一五二段「いはで思ふ」
第10回 3月15日(金) 同 第一五六段「姥捨」

【文化講座】

―日本・東洋文化探訪シリーズ第五弾―
中央アジア仏教美術(2)

※この講座は対面式で開催します

日程木曜日 13:00~14:30(10/19、11/2)
受講料3,000円
講師名中野 照男(東京文化財研究所・名誉研究員)
講義内容2023年後期
第1回 【題目】西域美術を後世に伝える努力① -壁画断片の修復
【概要】
各国の西域探検隊は多くの遺跡で壁画を剥ぎ取りました。ドイツ隊、スタイン、ペリオ、大谷探検隊、オルデンブルグも、皆剥ぎ取りに手を出しました。持ち帰った壁画断片は各国の博物館や美術館に収められました。探検からほぼ1世紀を経て、ミュジーアム・ピースとなった断片は修理・改装され、活用されています。韓国国立中央博物館が所蔵する西域壁画の修理に参加した経験を踏まえ、壁画断片を修理し、後世へと伝える活動を紹介します。
第2回 【題目】西域美術を後世に伝える努力② -遺跡保存の理念
【概要】
西域の遺跡は、きびしい自然環境によって、また時には人為的な破壊によって傷んでいます。クチャで第2の規模をもつクムトラ石窟も同様です。日本信託基金を得て、ユネスコが実施したクムトラ石窟保存修復プロジェクトに参加した経験をもとに、遺跡の評価、遺跡に被害をもたらした原因の究明、遺跡保存の理念、保存修理の優先順位などについて考えます。

【文化講座】

―江戸を学ぶ④―酒井抱一と江戸の琳派(2)

※この講座は対面式で開催します

日程火曜日 13:00~14:30(10/31、11/28)
受講料3,000円
講師名松尾 知子(千葉市美術館 学芸課長)
講座紹介 琳派は、江戸時代初期の本阿弥光悦や俵屋宗達、江戸時代中期の尾形光琳、乾山らによって京都で花開いた美術様式です。江戸時代後期には、酒井抱一(1761〜1828)が江戸の地でこの琳派様式に江戸らしい好みを加え洗練された新様式を生み出しました。その最も優れた弟子として知られる鈴木其一(1796〜1858)をはじめ、近代までその水脈は継承され、江戸の琳派の美意識は現代まで広く息づいています。
 本講座では、この”琳派400年”の流れのなかでも、京都・上方から江戸への展開という、魅力も謎も多いその様相に注目してきました。抱一が構想した琳派の流れは、具体的にどのようにして形に表され伝わってきたのか、その後の継承のさまから振り返ってご紹介していきます。

【文化講座】

―日本・東洋文化探訪シリーズ第六弾―中国歴代の能書と古典(2)

※この講座は対面式で開催します

日程木曜日 13:00~14:30 2024年(2/15、2/29)
受講料3,000円
講師名六人部 克典(東京国立博物館 研究員)
講座紹介 中国では古来、文字をいかに書くか、ということに意を用いてきました。先人が遺した優れた古典の書を、臨書や搨摸などの方法で手習いし、筆使いや文字の組み立て方などを体得して自らの書法の素地としました。古典とされる書やその筆者、すなわち能書の書法に関しては、歴史上、様々な議論、評価を経て、各々の位置付けもまた時代によって変遷し、あるいは淘汰されながら、現代まで伝えられてきました。
 中国歴代の能書において、肉筆による確かな真跡が伝わるものは、およそ宋時代以降の人物になります。一方、宋時代以降には拓本による書の名品集である法帖の制作が盛行します。王羲之の書を中心とした法帖は、清時代に青銅器や石碑など金石銘文の拓本に重きが置かれるまで、学書の基本とされました。
 本講座では、中国歴代の主な能書と古典を取り上げ、歴史的背景に触れながらその人物と書法の魅力、後世への影響などをご紹介します。合わせて、書の鑑賞ポイントについてもお伝えし、博物館などでの鑑賞の際の一助となるように努めます。前期に引き続き、後期の2回では、③宋元・10~14世紀、④明清・14~20世紀の能書と古典に注目します。

【文化講座】

―江戸を学ぶ⑤―浮世絵入門(2)

※この講座は対面式で開催します

日程木曜日 13:00~14:30(11/16、11/30)
受講料3,000円
講師名大久保 純一(国立歴史民俗博物館 教授)
講座紹介■役者絵はいかにあるべきか―写楽と豊国の比較から―
 寛政6年(1794)、東洲斎写楽と歌川豊国はともに役者絵の新星として世の注目を集めますが、その後、豊国は人気絵師として大活躍し歌川派全盛の基礎を築きますが、写楽はわずか10ヶ月で画壇を去ります。両者はともにモデルの顔の特徴をとらえる「似顔絵」の手法で役者を描きましたが、ある一点においてその作画姿勢に大きな違いがありました。この二人の絵師の絵づくりの方向性を比較することで、当時の人々が役者絵に何を求めていたのかを明らかにしていきます。
■浮世絵美人画を歌麿作品から考える―
 寛政年間(1789~1801)を中心に浮世絵美人画の名手として一世を風靡した喜多川歌麿。彼の描く美人画は豊かな官能性から大人気を博し、多くの追随者を生みました。その一方で、歌麿しかなしえなかった革新的な要素も見いだせます。歌麿の以前の美人画の展開をおさえた上で、歌麿の美人画の新しさがどこにあったのかを明らかにします。さらに歌麿以後の絵師に引き継がれなかった面に目をむけることで、浮世絵美人画の本質が何であったのかを考えてみたいと思います。

【文化講座】

仏画に描かれた「やまと絵」

※この講座は対面式で開催します

日程水曜日 13:00~14:30(10/18)
受講料1,500円
講師名古川 攝一(東京国立博物館 研究員)
講座紹介 「やまと絵」は、中国由来の「唐絵」や「漢画」の影響をうけつつ独自の展開を遂げた絵画で、世俗的な絵画制作を担った宮廷絵師が育んできました。平安時代半ば以降、宮廷絵師と仏画制作を担う絵仏師が協働して絵画制作を行う環境が増え、仏画の中にやまと絵の表現が取り入れられるようになります。とりわけ、山や川といった自然を描く山水表現にやまと絵の描写が見られるようになります。
 仏画は文字通り、仏の姿を描いた絵画です。密教絵画、経典説話画、縁起絵、祖師像など様々なジャンルがありますが、その内容によって山水表現との相性には違いがあります。例えば、神仏習合に関わる作例(垂迹画)や阿弥陀如来の来迎図では、厳かな仏の姿と穏やかな自然景が見事に融合し、美しい画面が生み出されました。こうした作例を見ると、絵仏師がやまと絵の山水表現を十分に理解していることが分かり、宮廷絵師が手掛ける山水表現と区別することは容易ではありません。つまり、やまと絵の山水表現が、絵仏師の間にかなり広まっていたことを物語ります。本講座では「やまと絵」についてご紹介するとともに、このような、仏画に見られる「やまと絵」について具体的にご紹介したいと思います。
特別展やまと絵―受け継がれる王朝の美―
2023年10月11日(水)~12月3日(日)
会期中、一部展示替えがあります
https://yamatoe2023.jp/

【文化講座】

◇書の楽しみ方◇
「よめないけど、いいね!」アンコール
(2022年展覧会の復習)

※この講座は対面式で開催します

日程木曜日 13:00~14:30 2024年(1/25)
受講料1,500円
講師名松原 茂(根津美術館 副館長)
講座紹介 書の名品と言われても昔の人の字は読めないから苦手だ、何が書いてあるのかわからないからつまらないなどと、毛筆の書の作品は敬遠されがちです。でも、たとえ読めなくても、肉筆の書ならではの魅力に触れることはできるのです。
写経:写経は仏教経典を書き写したものです。奈良時代は、中国語の経典を誤りなく写すことが重視され、中国風の楷書の整った姿が特徴です。平安時代には、貴族たちが極楽往生のために作らせた装飾経が流行し、温和な和様の書と豪華な装丁がみどころです。ともあれ、写経の大半は古代インドの原典を古い中国語に訳したなものなのですから、現代人がよめなくて当然です。
古筆:古筆とは、平安~鎌倉時代に貴族の贈答品ともなった「古今集」など歌集の写本のことです。桃山時代頃から古筆愛好の気運が高まり、多くの古筆が切断分割されて古筆切となりました。和歌はほとんどが平仮名でよみやすいはずなのに、よめないのはなぜか。現在は使わない変体仮名が含まれ、つづけ書きで書かれているからです。
墨蹟:墨蹟は禅宗僧侶の筆蹟です。鎌倉時代以降、日本から中国に渡った禅僧や、招かれて中国から来朝した高僧は少なくありません。弟子にとって師の墨蹟は師事した証であり、また師をしのぶよすがでもありました。墨蹟の尊重は貴族や将軍をはじめ、武将や町衆にも広がり、茶の湯の世界では、墨蹟はもっとも大事な道具とされました。しかし、難解な譬えや引用が多く、よむのは容易ではありません。
さまざまな書蹟:桃山時代~江戸時代末に活躍した人々のさまざまな書蹟にも注目しましょう。 “書は人なり”といいますが、知識として知っている歴史上の人物の人となりと、その人が残した筆蹟から感じ取れるイメージとを比較してみるのも一興です。
 先人たちによって大切に保存されてきた書の見どころをわかりやすくご紹介いたします。「よめないけど、いいね!」と実感していただけたら幸いです。

2023年度 通年及び前期講座(2023年4月~2024年3月)

【宗教講座】

日常生活と聖書

※この講座は対面式で開催します

日程水曜日 10:30~11:30(5/10、6/14、7/12、9/20、10/18、11/15、12/13、1/17、2/21)
受講料9,000円
講師名シスター岩井 慶子(聖心会)
講座紹介 聖書学の勉強ではなく、担当者が日常生活の中で力をもらったとか、面白い、意味があると思ったところを主観的にお伝えする気楽な講座です。
 参加の皆さまが感想や、反応、意見を言ってくださることで担当者の理解も広がる相互的な学びの場でもあります。聖書の使用箇所は、その都度、お送りしますので、聖書をお持ちでない方もご参加いただけます。毎回取り扱う聖書の箇所は継続ではないので、途中からの参加も問題ありません。

【宗教講座】

キリスト教への招きⅧ

※この講座は対面式で開催します

日程土曜日 14:00~15:30(5/13、6/10、7/15、9/9、10/7,10/28、11/18、1/6、2/10、3/9)
受講料15,000円
講師名宮越 俊光(カトリック中央協議会)
講座紹介 第8期となる2023年度は以下の教科書に基づいて進めていきます。 山本芳久『キリスト教の核心をよむ』NHK出版、2021年(737円、各自で購入)。教科書は、東京大学教授の山本芳久先生がキリスト教の基本を本格的かつ平易に解説した入門書です。4章から成っており、各章を2回に分けて取り上げます。聖書に関する2章(第1回~第4回)とキリスト教思想家に関する2章(第6回~第9回)に分け、それぞれが終わった後に、受講者の皆さんからの質問への答え、まとめと補足の回を設けます(第5回、第10回)。カトリック教会の立場から、信者ではない方にもできるだけ分かりやすくお話しいたします。これまでの講座を受講していない方も歓迎いたします。
講義内容第1回 5月13日(土) 旧約聖書とは何か(1)
第2回 6月10日(土) 旧約聖書とは何か(2)
第3回 7月15日(土) 新約聖書とは何か(1)
第4回 9月9日(土) 新約聖書とは何か(2)
第5回 10月7日(土) 第1回~第4回に関する質問とまとめ
第6回 10月28日(土) アウグスティヌス『告白』を読む(1)
第7回 11月18日(土) アウグスティヌス『告白』を読む(2)
第8回 1月6日(土) 橋をつくる――キリスト教と現代(1)
第9回 2月10日(土) 橋をつくる――キリスト教と現代(2)
第10回 3月9日(土) 第6回~第9回に関する質問とまとめ

【文学講座】

禁忌の恋はどう語られたか―藤壺の物語を読む(「賢木」巻③)

zoom icon※この講座はZoomを使います

日程火曜日 13:00~14:30(5/9、5/23、6/13、6/27、7/11、10/3、10/17、11/7、11/21、12/19)
受講料15,000円
講師名大津 直子(同志社女子大学 准教授)
講座紹介 光源氏とたった五歳しか違わない継母・藤壺の存在は、 光源氏の人生を、あるいは『源氏物語』 の正編全体を貫く重要な軸です。
 しかしながら、戦前谷崎潤一郎訳『源氏物語』 において藤壺の登場箇所が削除されたことが象徴するように、皇統乱脈を描く光源氏と藤壺との恋は時代の流れの中で忌避されることもありました。果たして物語はどのように禁忌の恋を語っているのでしょうか。
 本年度は、政敵の娘との密会が露見するドラマティックな「賢木」巻末を読み終わり、「須磨」巻へと進みます。窮地に追い込まれた光源氏は、京を離れることを決意、愛する人々との別離を余儀なくされます。
 講座の中では従来通り、貴族たちの生活世界をイメージしていただけるように画像資料を用います。受講者の皆様が平安朝の世界を心の中に思い描きながら原文を味わってくださるよう努めます。また、途中回からのご参加や講座内容に関するご質問も大歓迎いたします。オンライン講座ですが、双方向のやりとりとなるよう工夫したいと思います。
講義内容第1回 5月9日(火) 昨年度までの振り返り
第2回 5月23日(火) 密会露見 光源氏と朧月夜、窮地に追い込まれる(1)
第3回 6月13日(火) 密会露見 光源氏と朧月夜、窮地に追い込まれる(2)(「賢木」巻読了)
第4回 6月27日(火) 光源氏、須磨への退去を決意する(「須磨」巻)
第5回 7月11日(火) 光源氏、左大臣家へ挨拶をする
第6回 10月3日(火) 光源氏、紫の上や花散里との別れを惜しむ
第7回 10月17日(火) 光源氏、旅立ちの準備をする
第8回 11月7日(火) 光源氏、藤壺のもとへ参上、故院の山稜を拝む
第9回 11月21日(火) 春宮方の人々、光源氏の悲運を嘆く
第10回 12月19日(火) 光源氏、須磨へと出立する
(なお、進度によって多少前後いたします)

【文学講座】

『大和物語』を読む

※この講座は対面式で開催します

日程金曜日 10:30~12:00(4/28、5/12、5/26、6/9、6/23、7/7、7/21、9/1、9/15、9/29)
受講料15,000円
講師名山口 佳紀(聖心女子大学 名誉教授)
講座紹介 『大和物語』は、『伊勢物語』と並び称される歌物語の一つであり、平安時代の貴族社会で語られていた恋愛譚や古伝説などを紹介する作品です。我々は、これを読むことによって、平安貴族の興味が何に注がれていたか、また彼らの築いた文化がどのようなものであったかを、如実に知ることができます。ただし、この作品は有名である割に注釈書が少なく、内容が十分には理解できていないのが現状です。
 この講座では、その各章段を丁寧に読み解きながら、表現の真意を突き止め、文章の魅力を楽しみたいと思います。
講義内容第1回 4月28日(金) 『大和物語』を読むために(第87段「別れ路の雪」)
第2回 5月12日(金) 第32段「武蔵野の草」・第41段「無常」
第3回 5月26日(金) 第42段「庭の霜」・第43段「横川」
第4回 6月9日(金) 第44段「ぬれごろも」・第57段「山里の住居」
第5回 6月23日(金) 第58段「黒塚」・第59段「宇佐」
第6回 7月7日(金) 第60段「燃ゆる思ひ」・第61段「なごりの藤」
第7回 7月21日(金) 第103段「天の川」〈上〉
第8回 9月1日(金) 第103段「天の川」〈下〉
第9回 9月15日(金) 第147段「生田川」〈上〉
第10回 9月29日(金) 第147段「生田川」〈下〉

【教養講座】

子どもたちは人が好き

zoom icon※この講座は、対面式とZoomの併用で開催します

日程水曜日 13:00~14:30(5/10、5/17、5/24、5/31、6/7)
受講料7,500円
講師名川上 清文(聖心女子大学 名誉教授)
講座紹介 私たちは、だれもがかつて子どもでした。しかし、子どもの気持ちがわかるとは限りません。そもそも、なぜヒトには長い子ども時代があるのでしょうか。考えてみると不思議です。
 私は2011年度、あの大震災があった年に、大学から研修年をいただきました。その1年間を、それまでの研究のまとめと、新しい研究のスタートにあてることにしました。新しい研究というのは、保育園で子どもたちに触れながら、子ども時代について考える、というものでした。その研究を、2018年に『子どもたちは人が好き:幼児期の対人行動』(東大出版)という本にまとめました。
 本年度は、その本をもとにして、子どもたちの心理について考えたいと思います。出来れば、本を手元に置いていただきたいですが、なくとも話がわかるように進めていくつもりです。予定としては、第1回保育園での観察研究から(その1。論文は配布)、第2回保育園での観察研究から(その2。1つの論文は配布。2つ目はhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/shes/15/1/15_31/_pdf/-char/ja)、第3回個別のエピソードから(その1)、第4回個別のエピソードから(その2)、第5回まとめ、という流れを考えています。
 ワーズワースの『虹』という詩に「子どもが大人の親」という表現があります。その意味を5回の講義で考え続けましょう。

【文化講座】

日本・東洋文化探訪シリーズ第三弾
中央アジア仏教美術

※この講座は対面式で開催します

日程木曜日 13:00~14:30(6/1、6/15) ※この講座は、後期に続く予定です
受講料3,000円
講師名中野 照男(東京文化財研究所・名誉研究員)
講義内容第1回  6月1日(木)
西域北道の代表的オアシス都市クチャの宗教文化と美術
西域北道のオアシス都市クチャには、部派仏教の一派である説一切有部が栄えましたが、その中から、後に中国で大乗仏教の漢訳を積極的に行なった鳩摩羅什(くまらじゅう)を輩出しました。玄奘の『大唐西域記』の記述や現地に残る遺跡やその収集品を手がかりに、クチャ国の歴史、宗教、民俗を概観します。
第2回  6月15日(木)
ドイツ・トルファン探検隊の西域調査とその成果
ドイツは、現在の新疆ウイグル自治区に4回探検隊を派遣し、トルファン、クチャ、トゥムシュックなどで勢力的に調査しました。各回の調査の概要と成果を取り上げます。第1次大戦後のインフレ、第2次大戦の空襲などをくぐり抜けて守られた収集品の現状についてもお伝えいたします。

【歴史講座】

―江戸を学ぶ①―再考、キリシタン屋敷とシドティ神父の墓

※この講座は対面式で開催します

日程火曜日 13:00~14:30(6/6)
受講料1,500円
講師名池田 悦夫(高崎経済大学非常勤講師)
講義内容 文京区に所在するキリシタン屋敷跡の発掘調査は平成26年に実施された。調査からは、シドティ神父の墓など多くの成果が得られ、様々な機関で公表される機会を得てきた。昨年、本講座においても発表する機会を得たことは、まだ記憶に新しい。そのような中にあって、「本当にシドティ神父の墓なのか」という指摘があったが、この指摘に対しては、篠田謙一や谷川章雄の両氏がシドティ神父の墓であることへの正当性を説いたという経緯がある。両氏が示す根拠については、傾聴に値することはいうまでもないが、検討の余地はないのかと言えば疑問も残るように思えることは、昨年の講座で言及し追求を試みたとおりである。ここでは、キリシタン屋敷跡から出土したシドティ神父の墓とされる169号遺構は誰の墓なのかについて整理し直し再考を試みたい。なお、中々、市民権を得られ難い「シドティ」の名称についても再度説明したい。

【文化講座】

―江戸を学ぶ②―酒井抱一と江戸の琳派

※この講座は対面式で開催します

日程火曜日 13:00~14:30(6/20、7/25) ※この講座は、後期に続く予定です
受講料3,000円
講師名松尾 知子(千葉市美術館 学芸課長)
講義内容 琳派は、江戸時代初期の本阿弥光悦や俵屋宗達、江戸時代中期の尾形光琳、乾山らによって京都で花開いた美術様式です。江戸時代後期には、酒井抱一(1761〜1828)が江戸の地でこれに江戸らしい好みを加え洗練された新しい琳派様式を生み出しました。抱一の最も優れた弟子として知られる鈴木其一(1796〜1858)をはじめ、近代までその水脈は継承され、江戸の琳派の美意識は現代まで広く息づいています。
 本講座では、この“琳派400年”のなかでも、京都/上方から江戸へという魅力的な展開にあらためて注目したいと思います。名門大名家の御曹司であった抱一が、熱心に光琳・乾山の顕彰に取り組み琳派の流れをつくっていったその様相と今に生きる美点をご紹介します。

【文化講座】

―日本・東洋文化探訪シリーズ第四弾―中国歴代の能書と古典

※この講座は対面式で開催します

日程木曜日 13:00~14:30(6/29、7/1) ※この講座は、後期に続く予定です
受講料3,000円
講師名六人部 克典(東京国立博物館 研究員)
講義内容 中国では古来、文字をいかに書くか、ということに意を用いてきました。先人が遺した優れた古典の書を、臨書や搨摸などの方法で手習いし、筆使いや文字の組み立て方などを体得して自らの書法の素地としました。古典とされる書やその筆者、すなわち能書の書法に関しては、歴史上、様々な議論、評価を経て、各々の位置付けもまた時代によって変遷し、あるいは淘汰されながら、現代まで伝えられてきました。
 中国歴代の能書と古典のなかでも、筆頭に挙げられるのが、東晋時代に活躍した書聖・王羲之(303~361)とその代表作「蘭亭序」です。「蘭亭序」をはじめとする王羲之の書のように、真跡が失われ、摸本や拓本などの後世の複製のみが伝わる古典も少なくありません。一部の古典は中国はもとより、日本などの東アジア漢字文化圏にももたらされ、各地で影響を与えながら、親しまれてきたのです。
 本講座では、中国歴代の主な能書と古典を取り上げ、歴史的背景に触れながらその人物と書法の魅力、後世への影響などをご紹介します。合わせて、書の鑑賞ポイントについてもお伝えし、博物館などでの鑑賞の際の一助となるように努めます。前期の2回では、①魏晋南北朝・2~6世紀、②隋唐・6~10世紀の能書と古典に注目します。

【文化講座】

―江戸を学ぶ③―浮世絵入門

※この講座は対面式で開催します

日程木曜日 13:00~14:30(5/25、6/22) ※この講座は、後期に続く予定です
受講料3,000円
講師名大久保 純一(国立歴史民俗博物館 教授)
講座紹介 江戸庶民の芸術といわれる浮世絵ですが、いくつかの主要なジャンルに分かれ、それぞれに売れ方や絵作りの「きも」など特性がありました。本講座では三大ジャンルとされる、美人画、役者絵、名所絵(風景画)を取り上げます。前期は浮世絵の中で代表的な形態である錦絵がどのように作られ、そして売られていたのかを最初の回でお話して、2回目には名所絵を取り上げます。
講義内容第1回  5月25日(木)
錦絵のつくられ方と売られ方

 多色摺りの木版画である錦絵がどのようにつくられるのか、現存する版木(国立歴史民俗博物館蔵)の画像を用いてご説明します。通説であまり知られていない技法などにも触れながら、その工程や技法をお示しします。その後で、摺りあがった錦絵が、絵草子屋の店頭でどのように販売され、市中に流通していたのかを当時の画像や文献資料などを駆使しながらお話いたします。
第2回  6月22日(木)
名所絵(風景画)

 浮世絵風景画を代表する絵師として歌川広重を取り上げます。葛飾北斎の《冨嶽三十六景》が大ヒットすることにより、それまで役者絵や美人画に比べればマイナージャンルであった名所絵が大きく成長します。広重は北斎の《冨嶽三十六景》の成功に刺激されて名所絵ジャンルに進出しますが、やがて巨匠北斎を乗り越え、この分野の第一人者となります。広重がなぜ名所絵で人気を得たのか、主題の扱いや空間表現など、その絵づくりの手法から解き明かしていきます。